壊死性髄膜脳炎:パグ脳炎

ラヴお嬢さんが虹の橋を渡ってしまった原因は、壊死性髄膜脳炎:別名パグ脳炎の発病によるものです。


パグ脳炎はパグ犬に限らず、フレンチブルドッグマルチーズシーズーペキニーズヨークシャーテリア、チワワ、ポメラニアンパピヨンと、限られた小型犬種に発生する疾患だと言われています。


主にみられる症状としては、運動失調、視力障害、旋回運動、斜頸、昏睡、摂食障害、遊泳運動...


ラヴお嬢さんは、子宮・卵巣摘出手術を行われた後回復するも、8種混合ワクチン接種をうけた後、体調が急変しました。
尿漏れ・大量の涎を流し、発熱し呼吸も荒く、この日から家の中を徘徊し、暗い場所へ暗い場所へと向かうように。
暗い場所が狭い場所の時は、入ったはいいが出ることができず、身動きが取れないまま固まってしまいました。


異常なまでの食欲、かと思えば全く何も口にすることが無かったり、徘徊は深夜に始まり13時間から15時間は続く...
徘徊による体力低下を食い止めようと、リードを私の太腿に巻き付けて歩かせないようにしたこともありました。
しかしながら、ラヴ自身が歩きたいのではなく脳がそうさせているだけのこと。
ラヴお嬢さんは私の足を噛み、何とか歩こうともがきました。
(2度噛まれましたが、本気で噛まれたわけではありません)


私は暴れるラヴを抱きかかえ、ラヴに言いました。
「ラヴ、貴女が噛みたいなら気が済むまで噛めばいいよ。貴女の苦しみに比べれば、噛まれることなどたいした問題じゃないんだから...」
我慢していたはずの涙が止まりません。
何分経ったのでしょう…
もがき苦しみ暴れていたはずの ラヴお嬢さんの様子が変わり、ラヴお嬢さんは私にもたれかかるようにして、あっという間に夢の中に入っていきました。


標準値の2倍など軽く超えてしまう程の白血球の数値。
高濃度のステロイド剤による副作用により、褥蒼(じょくそう)があちらこちらにでき、介護の度に悲鳴をあげます。
足先などは爪が丸々抜け落ちて、更に穴が大きく深く抉られたような状態に。
褥瘡の恐ろしさを知ったのもこの時がはじめてです。


後ろ足の踏ん張りがきかなくなり、抱き上げると想像を絶する程の軽さと小ささになっていった ラヴお嬢さん。


ラヴお嬢さんは、最小限にしてもらったお薬すら飲む事を拒みはじめました。
母は薬を飲ませる為に、1日に何時間も格闘し、徘徊による不眠の上でも仕事を続けていましたが、そんな母にお医者様からある言葉が伝えられていました。


「今の薬を飲むことで生きながらえています。薬をやめてしまうということは、命が消えてしまうということです。」
ラヴは元々、目薬もお薬もいやがることのないお嬢さんでした。
そんなラヴが、ありとあらゆる方法を用いても薬を拒むことを相談した結果の、お医者様のお言葉でした。


母はこの事を、ラヴお嬢さんが亡くなった数日後まで、私に黙っていました。


一方で私達夫婦は、ネット上で"パグ脳炎"に関する研究や、発表、ブログなど色々読んだ結果、3ヵ月もたないかもしれないということを覚悟しなければなりませんでした。


壊死性髄膜脳炎:パグ脳炎は、現在も尚不治の病として、発病の原因も不明であり、医師からの病名の宣告は『死の宣告』を意味すると言われています。


何人かのお医者様の見解によりますと、子宮・卵巣摘出手術後の8種混合ワクチン接種が、余りにも早過ぎたことが、脳炎発症の原因の1つではないかということでした。


ワクチン接種について調べてみましたが、最近アメリカでは、幼児期を除いてワクチン接種は3年に1度。
10歳以上においてはワクチン接種をしないということになっているとか。


人間でも恐ろしいと言われている全身麻酔
その全身麻酔によって手術を受け、小さな身体・小さな内臓機能で頑張って生きようとするペット達。
先生によって、肝臓の回復基準が異なったり、また最新の医療については無頓着だったりします。


信頼のおける先生のいる病院を選ぶのは、家族である私達の努めです。



最後の大学病院からの帰宅途中、銀杏の樹の前で ラヴお嬢さんとのツーショットです。

こんなにも澄んだ瞳の可愛いお嬢さん…
この時ラヴお嬢さんは、少しだけ歩きました。
銀杏の落ち葉を踏みしめながら…



ラヴお嬢さんが虹の橋を渡った後、ラヴお嬢さんのことを想いながらつくりました。


ラヴお嬢さんへのメッセージを綴った ボード


ラヴお嬢さんが遊びに来た時に座れるよう クロスチェア


ラヴお嬢さんに似合うピンクのお花を飾る為に編んだ ドイリー

下記の写真をみて、選んだデザインです



※ラヴアルバム『陽だまり』より



どうか動物達が辛い思いを少しでもしなくなる世界になりますように


今日も小さな天使に感謝